(5) 遺産分割の諸問題
| Q. | 遺産の範囲に争いがある場合にどのように解決すればよいですか |
| A |
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遺産分割の前提問題
遺産分割は相続人間で遺産の共有状態を解消する手続です。
その分け方や自己の取り分について各相続人が権利主張を行いますが、そもそも遺産分割の対象としている財産が遺産かどうか、といった遺産分割の前提問題に関する紛争が生じる場合もあります。 -
遺産分割審判の限界
最高裁昭和41年3月2日判決によれば、
(1)家庭裁判所は、相続権や相続財産等、遺産分割の前提問題について当事者間に争いがあるときでも、その前提事項の存否を審理判断した上で、遺産分割審判を行うことは差支えがない。
(2)もっとも、そのような遺産分割の前提問題は、実体法上の権利関係であり、その存否を終局的に確定するには、民事訴訟手続を経る必要がある。
(3)家庭裁判所が遺産分割審判において、遺産分割の前提問題を審理判断した場合でも、この前提事項には既判力が生じない。
(4)前提問題を争う当事者は、遺産分割審判とは別に民事訴訟を提起して、前提問題の確定を求めることができる。
と述べられています。すなわち、遺産分割審判の限界として前提問題に対する既判力を及ぼせないため、審判後になって、遺産分割の前提問題を再度民事訴訟で蒸し返される危険性が存在するのです。 -
前提問題の解決方法
相続人間で合意を行う、合意が得られない場合は遺産確認訴訟や当該財産名義人の所有権確認訴訟を提起する等の方法をとって、遺産分割の前提問題を確定しておくことが必要です。
(相続紛争の予防と解決マニュアル)http://free.ac-lib.jp/category9/category1/index1232.html