(6) 遺産分割の効力

Q. 遺産分割の遡及効とは何ですか
A
  • 遺産分割の遡及効
    遺産分割は、相続開始の時に遡ってその効力を生じ、 各相続人が分割によって取得した財産は、 相続開始時に被相続人から直接承継したことになります。これを遺産分割の遡及効といいます。
    遡及効が認められる範囲は、 遺産分割によって分割した遺産に限られます。
    例えば、代償分割によって取得した遺産については遡及効が生じますが、 代償金支払債務について遡及効は生じません。換価分割によって取得した代価についても遡及的効力は生じません。
  • 第三者の権利保護
    相続発生から遺産分割完了までは時間を要することが多く、一部の相続人がその間に、特定の相続財産についての自己の持分を第三者に譲渡してしまうことも考えられます。
    このような場合において、第三者への譲渡を無視した遺産分割が後に行われ、かつその遺産分割に遡及効が認められてしまうとなれば、第三者への譲渡も遡って効力を失うことになってしまいます。
    そこで、相続発生後遺産分割前に、相続人から権利を譲り受けた第三者を保護するため、 遺産分割の遡及効によっても第三者の権利を害することはできないと規定されています。
  • 対抗要件
    もっとも、第三者において遺産分割の遡及効の制限を主張するためには、譲り受けた相続財産(ないしその持分)について、登記等の対抗要件を備える必要があるため注意が必要です。
    (相続紛争の予防と解決マニュアル)http://free.ac-lib.jp/category9/category1/index1232.html